こんにちは、ありすです。
今回はBLWをする上で必ず知っておきたい、喉に詰まらせた時の対応について書いていきたいと思います。
目次
スポンサーリンク
喉に詰まらせたらどんなふうになる?
まず前提として、「赤ちゃんがものを喉に詰まらせた場合にどのような反応をするのか?」ということを知っておく必要があります。赤ちゃんがものを喉に詰まらせて呼吸ができなくなっている(窒息)場合は、
などの反応になります。
声が出ずに静か、顔色がみるみる青くなっていくというのが窒息時の特徴です。
我が子にもしもこんなことが起こったらと想像するだけで怖くなってしまいますね・・・。
ですが、後述する安全を確保した上でBLWを実施していれば、基本的には喉に詰まらせてしまうということは非常に稀です。
実は窒息ではない「反射」がほとんど
BLWをしている時に喉に詰まらせているように見えても、実際は「窒息」ではなく窒息を防ぐために起こる「反射」であることが多いです。①「オエッオエッ」となる咽頭反射
BLWに限らず食べることを練習している月齢の赤ちゃんは、食べている時に「オエッ」とえずく反応をすることがあります。親としては苦しそうでとても心配になってしまうのですが、これは提供した食べ物が大き過ぎて処理できず飲み込めない時や、詰め込み過ぎた時などに起こる反応で、窒息ではありません。
オエッと食べ物を吐き出そうとすることによって咽頭部から食べ物を押し出そうとする動きが生じ、これにより食べ物が気道に入ってしまうのを防いでくれます。
大人の場合はこの咽頭反射は舌の奥のあたりで引き起こされるようになっていますが、赤ちゃんの場合は舌のかなり前の位置でも起こるようになっています。
つまり、口内の奥の方に食べ物が到達してしまうより前に、事前に飲み込めないものは押し出してくれているいわば「安全装置」なんです。
オエオエ言っていて吐きそうになっている姿を見ると心配になってしまいますが、きちんと安全装置が作動しているという証拠であり、不安に思わなくて大丈夫なんです。
これを繰り返すことによって赤ちゃんは飲み込むことができる食べ物の大きさや、食べる時に詰め込み過ぎないことを学習していきます。
この反射はBLWのような方法をとっていてもいなくても月齢が上がると減っていきます(=喉の奥の方でしか起こらなくなります)。
咽頭反射が起こりやすい時期にしっかりとBLWの方法で食べ物を経験することは、食べ物の大きさや詰め込み過ぎないことをとても効果的に学習できるのです。
②「ゴホゴホ」となる咳反射
咽頭反射の他に、ゴホゴホと咳き込む「咳反射」があります。(咳嗽反射・がいそうはんしゃ ともいいます)咳反射は食べ物などが気道に入りそうになったときに、咳をすることによって気道外に出そうとする反射になります。
大人がむせた時と同じように、赤ちゃんもむせて涙目になったりしますが、これも喉に詰まることを未然に防ぐ正常な反応なので心配しなくて大丈夫です。
BLWでは窒息の危険性は上がらない
BLWでは離乳食の始めから固形物を食べるので、喉に詰まらせる危険性が高そうという心配をする人が多いと思います。私も初めて聞いた時は「怖い。危なそう。」と思いました。
しかし、これまでの研究によると、BLWだから窒息の危険が高いということは無く、従来の離乳食もBLWも窒息のリスクは変わらないとされています。
またスプーンでペーストの離乳食を親主導で与えられている場合、赤ちゃんは自分のタイミングで食べるということができません。
そのため従来のスプーンで親が与える離乳食の方がより危険であるとの見方もあります。
というのも離乳食を始めたばかりの赤ちゃんの場合、母乳やミルク以外のものを食べるという経験をしたことがまだない状態です。
そのためスプーンで食べ物を口に入れられてもそれを「食べる」という認識を持っていないため、食べる心の準備ができていません。
口の中にスプーンが入って始めて「何かが口の中に来た」と認識するので、場合によっては驚いて誤飲の危険性もあります。
一方BLWの場合は自分の手で食べ物を口まで運びます。
食べ物に注意を払っている状態であり、自分の意思で食べようとしていて、親にスプーンで与えられる場合と比べて赤ちゃんの心の準備が全く違います。
このように、BLWだから窒息の危険が高いということはなく、BLWはむしろ赤ちゃんが自分自身で食べ物をコントロールしていることからより危険が少ないとの見方もあります。
しかしだからと言って、BLWでも誤飲や窒息のリスクが全くないわけではありません。
食べ慣れていない赤ちゃんが食事をする際にはどの離乳食の方法であっても、窒息に関して親がそばで注意して見守ることが必要です。
喉に詰まらせた場合の対応
BLWは安全に配慮して行えば窒息の危険性は極めて低いですが、絶対に窒息しないということではありません。どの方法で離乳食を実施するにせよ、「万が一食べ物が喉に本当に詰まってしまった場合どうすればよいか」を事前に親が対処法を学んでおくことが重要です。
万が一我が子が目の前で喉に詰まらせた時にパニックにならないように、
次の内容を何度もイメトレしたり、人形などを使って実際の動きをシミュレーションしておくといざという時に落ち着いて対処できます。
重要!ママが落ち着くために
まず一番大切なのは親が落ち着いていることです。もし「我が子が詰まらせたかも!?」と思った場合、ママ自身が落ち着くために、まずは必ず次のことを心がけてください。
←しっかりと観察・対処できるようにすぐそばに行く
←この時「大丈夫よ。頑張れ。上手に吐き出そうとできているよ。」と声に出して言う
ポイントは、声に出して「大丈夫だよ」と言うこと。
赤ちゃんがオエオエ言っていたりゴホゴホ言っていたりするととても苦しそうで、親としては心配でパニックになってしまいそうになります。
ママ自身が落ち着いているために、5秒間見守りながら「大丈夫だよ」と声に出して下さい。
そうすることで落ち着いて対処することができます。
(もっとも、オエオエやゴホゴホ言っている場合は既に説明したように窒息ではなく「反射」によって赤ちゃん自身が対処している状態ですので心配ありません。
見守っているうちに解消されて、また赤ちゃんは再び何もなかったかのように食べ始めるのが普通です。)
もしも反射ではなく「窒息」になってしまっている場合、速やかに対処することが必要です。
繰り返しになりますが、声が出ずに静か、顔色がみるみる青くなっていくというのが窒息時の特徴です。
窒息の場合の対応は主に次の2つです。
背中を叩く(背部叩打法)
①赤ちゃんは座ったままで、背中を強めに叩く(手のひらの付け根でしっかり力を込めて)
単に背中を強く叩くだけで、大抵の場合は食べ物を除去することができるそうです。
もし食べ物が口から取れそうであれば、口に手を入れて食べ物を取り出してください。
もしこれで解消できなければ、
②(右利きの人の場合)左腕の上に赤ちゃんをうつ伏せに寝かせる
↓
頭を低くし
左手で顎をしっかり支えながら
右手のひらの付け根で背中を強く叩く(5回連続を1セットで)
こちらの写真の体勢での背部叩打法を行うのが効果的です。
↓
こちらの写真の体勢での背部叩打法を行うのが効果的です。
ほとんどの場合、背中を強く叩くことで詰まりかけた食べ物は出てきます。
しかしもしもそれでも改善しない場合、次の方法も行うことで詰まった物を除去できる可能性が高まります。
胸部を圧迫する(胸部突き上げ法)
赤ちゃんをあお向けに寝かせる
↓
片方の手のひらで頭部をしっかり押さえ
心配蘇生の要領で、人差し指と中指の2本で胸部を圧迫します。(5、6回を1セットで)
↓
胸部を圧迫することで、異物除去の効果が高まります。
赤ちゃんの様子を見ながら、先述の背中を叩く方法<背部叩打法>と胸部圧迫を交互に繰り返します。
胸部を圧迫することにより詰まったものが出やすくなることに加え、体位を変えることでのどに詰まったものが更に出やすくなる効果があるためです。
圧迫の強さですが、赤ちゃんは肉付きが良いので思ったよりも強く押したほうが良いです。
※もちろん、万が一意識を失っている場合は速やかに119番をしてください。
BLWでの窒息を未然に防ぐために重要な安全策は?
どの離乳食の方法をとっていても絶対に窒息しないということはないので、BLWを行う上でも万一に備えて親が事前に対処法を知っておくことが重要です。ただBLWの場合、次に紹介する安全なやり方で進めていれば、窒息してしまうような事態をほとんどの場合未然に防ぐことができます。
一口よりも「大きく」提供する
提供する食べ物の大きさは「一口よりも必ず大きく」しましょう。これはそのまま食べ物を口に入れて噛まずに丸呑みしてしまうことを防ぐためです。
一口よりも大きく提供することで、赤ちゃんはまず自分でかじりとり、自分の一口サイズを学んでいくことができます。
安全に食べるためには赤ちゃんが自分自身の一口サイズを理解することがとても重要です。
必ず赤ちゃんがそのまま一口では食べられない大きさで敢えて提供しましょう。
丸くて小さいものは半分に切って提供
丸くて小さい食べ物を提供する場合は、必ず半分か4分の1にカットして提供しましょう。ミニトマトやぶどうなど丸くて小さいものは、そのままだと万一喉に詰まった際に塞いでしまうので特に危険です。
まっすぐに座らせる
安全に食べるためには「真っ直ぐに座る」ことが重要です。これは必ずしも自力でまっすぐということではなく、「支えがあればまっすぐ座れる」という場合でも大丈夫です。
なので背もたれとの間の腰の辺りに丸めたタオルなどを使って調整してもOKです。
安全に飲み込むためには頭と体幹がまっすぐになっていることが大切なのです。
集中できる環境を整える
赤ちゃんが集中できるように、食事中は- 音楽をかけない
- おもちゃなど気が散る物を視界に置かない
- 急かしたり必要以上に話しかけ過ぎたりしない
ママはそばで常に見守る
もしも何かあった時にすぐに対処できるように、赤ちゃんのそばから離れない。食事中の赤ちゃんを絶対に一人にしない。
赤ちゃんは食べるのに時間がかかります。
しっかり食事に集中できる環境を用意してあげましょう。
More from my site
目次
コメント